記事を書き始める前に「キャッチフレーズだけ先に決めてしまう」という工程はありだと思う、という話
仕事柄、企画したり取材したり書いたり編集したりしています。決して、自分は「できる!」ほうではないので、仕事を続けている限り、興味が尽きない限り、関連事項についてのインストールは欠かせないわけです。
インストールとして一番やっているのはやはり「本を読む」ですが、今ちょうど読んでいる『調べてみよう、書いてみよう』が面白いなぁと思った&そうそう!と思ったことがあったので、ここに自分用として雑感をダラダラと。
「書く」前にキャッチコピーをつける、という工程
大人向けではなく、子ども向けに「こうやって書くんだよ」というのを、ノンフィクションライターの最相葉月さんが書かれたものです。「cakes」さんのこちらの連載を読んで、面白そうだなぁと思ったので買いました。
まだ読んでいる途中ですが、私的に「おお!」と思ったのが、書く工程を紹介した以下の流れでした。
- テーマを選ぶ、決める
- キャッチコピーをつける
- 企画書を書く
- 調べる、人に会って話を聞く
- 書く
注目したのが「2.キャッチコピーをつける」です。
テーマが決まったら、ターゲット(ユーザー、読み手)を意識して企画を練っていく…というのはわりと多くの人がやっていることだとは思うんですが、ここで「今回やりたいこと」についてキャッチコピー(宣伝文)を作っちゃうわけです。
なぜいきなり宣伝文が必要かというと、自分がなぜこのテーマに取り組むのか、何を知りたいのか、何を目指しているのかをはっきりさせるためです。(『調べてみよう、書いてみよう』より引用)
なぜこの部分に反応したのかというと、ちょうど今、このやり方を自分自身で試している最中だからです。ただし、私の場合は
- テーマを選ぶ、決める
- キャッチコピー(もどき)をつける
- 企画書を書く
- 調べる、人に会って話を聞く
- 必要があればキャッチコピー(もどき)を練り直す
- 書く
となりますが。
これまでは「誰に向けたものなのか」を、どこかわかりやすい場所に明示しておくというのを意識的にやっていたりはしたのですが。それだけだと「その『誰か』に何を伝えたいんだっけ」「その『誰か』に対して、この内容を向けていいんだっけ」といった迷いは払拭できないんですよね。むしろ、より悩むことも多かったりしました。
キャッチコピーは宣伝文。つまり、「誰に」「何をいいたいのか」が合体したものです。
そもそも、私がこのやり方を始めてみようと思ったのは社内での企画会議のときに、社長が「企画が決まったら、そこでタイトルも決めてしまうのはどうか」と言ったこと。公開時の記事タイトルまで決めてしまうのはわりとヘビーなのでアレですが、タイトルのようなもの=キャッチコピーをつけておくというのはアリかもしれないと思ったんです。
そして、ひっそりとコソコソと、1人で実行してみました。そしたら、すごく書くのがスムーズになりました。なんというか、迷わない。迷っても、すぐに方向修正ができます。楽!とまではさすがにいきませんが、スムーズ。うん、スムーズだ。
私自身よくあることでお恥ずかしいのですが、資料を読んだり人に話を聞いたりしていると、たくさんの情報に埋もれてしまって、自分がそもそも何をしたかったのかわからなくなってしまうことがあります。そんな時に最初につけたキャッチコピーを見れば、ああ、そうだった、私が知りたかったのはこれだった、と初心に返ることができます(『調べてみよう、書いてみよう』より引用)
他の同業者から見たら「こんな初歩的なことでいちいち『そうか!』とかなってんのかよ!」と思われてしまうかもしれないのですが(怖い)。ちょうど、上記のやり方を実践し始めたタイミングでこの本を読んだので「あながち、間違いではなかったんだなぁ」となったわけです。
はい。日々精進を頑張ります。