いつだって準備は間に合わない
昨日、入念に準備していたはずのレコーダーが取材時にまったく機能しなくなるという事案が発生した。
空っぽにしたはずの容量を「容量オーバーです」と言い、入れ替えたはずの電池を「電池切れです」と言い出すレコーダー。すぐにでも小さな本体を床に叩きつけ、踏み潰してしまいたい気持ちは高まる一方…。
取材先や、同席していた上司に助けられ、なんとか難を逃れることができたけれど。ちょっとしたこと(?)とはいえ、久しぶりのトラブルに取り乱してしまった自分が情けなかった。このとき、「いつだって準備は間に合わないんだよ」というひと言を、ふと思い出した。
「いつだって準備は間に合わないんだよ」
これは、上司のひと言。今月末に開催するイベントの仕込みについて相談しているとき、「もうすぐ本番だね」の次に飛び出した言葉だった。
「イベントはさ、どんなに頑張って準備しても間に合わないんだよ。当日、確実にトラブルが起きるから。大なり小なりね。ぜーったい、何か起きるんだから! だからさ、準備はそこそこに。あとは当日何が起こっても対処できるような余裕を持っておくようにするといいよ」
テレビだったか、雑誌だったか。はたまた誰かが言っていたのか。「取材とは、生き物のようなもの」。
会議のように進行を作ったところで、そのとおりに進むとは限らない。想定していたより面白い話が飛び出てくるかもしれない、飛び出ないかもしれない。先述の上司が言っていることに当てはまる。そうだった、私、そんな「想定外」が好きで今の仕事をしているんだった!
昨日、私があの場でしなければならなかったのは「雰囲気を壊さないこと」「空気を乱さないこと」。トラブルや失敗は必ず起こるものなので、いかにリカバリーできるかが大事。おいこれ、超当然じゃねぇか!!
この記事の根岸さんみたいに、トラブルを笑いのネタにすればよかった。そうできなかったのは、私が容量オーバーになっていたから。
トラブルが起こらないような平穏な日々が続くと、リカバリーで必要になる筋肉が衰えていくんだろうな。最近の自分は、今の環境に甘んじ始めているのかもしれない。そういうのはすごく嫌なので、近日中に何とかしよう。