持ちネタ
一昨日、こんなコラムを見つけて読んだ。
わかる…超わかる。
上京したばかりのころ。そう、たしかあれはもうじきクリスマスな時期だった。
私には「サンタさんからのクリスマスプレゼント」にまつわる持ちネタが1つある。それは小学校高学年のとき、大きなクマのぬいぐるみをプレゼントしたかった母親が包装紙に困り、テンパって黒いゴミ袋に包んでしまったという話だ。「起きたら、でっかいゴミが枕元にあってん!」「なんでやねん、おかしいやろ黒いゴミ袋て!どっかーん!」というのがオチである。
ちょうど、当時の先輩と二人で街を歩いているときだった。子ども時代のクリスマスプレゼントの話題になった。和やかな雰囲気だった。
「子どものころ、どんなプレゼントをもらってたか覚えてる?」と話を振られた。「ここは、あのネタを話すタイミングか」と思い、話し始めた私。ネタはいよいよクライマックス、オチまであともう一歩…なところで先輩が急に真面目な顔になり「私の両親、サンタなんていないって主張する派だったんだよね。だから、枕元にプレゼントっていう経験ないの…」と話し始めた。
え。なぜここでぶっこんだ。さっきまでの和やかな雰囲気どこいった。
オチですか?「自分の子どもにはサンタを信じさせたほうがいいのか、否か」の話題で終了ですよ。オチまで話せなかったフラストレーションは、たぶん、うまくごまかせていたはず。
思い返すと、あのとき話さなくてよかったのかもしれない。たぶんオチまで話していたとしても、先輩は自身の切ないクリスマスプレゼント話をぶっ込んできただろうと思う。そうならなかったとしても、たぶんこのネタ、そんなにウケなかったと思う。